きどたかのブログ

いつか誰かがこのブログからトラブルを解決しますように。

オリンピックの経済効果に懐疑的

エンジニアのブログだが、たまには経済の話を書く。


オリンピック開催で日本国民と海外からやってくる方がお金を落とす。
海外からやってくる方の落とす金はプラスだろう。
日本国民はどうだろうか。
ちょっとお祭りがあります程度の出費か、
ちょっと国内旅行をしようか程度の出費。
他の側面で考えてみる。
ふだん海外旅行をするようなブルジョアな人が、
海外でお金を落とさずに日本にお金を落とすという意味ではプラス。


さいきんの海外旅行者数は年間約1800万人。
まあ、適当に200万人が海外旅行をやめて日本国内の旅行になったと考えてみる。
ざっくり10万円×200万人=2000億円。


日本にやってくる海外の方は年間約800万人。
ちなみに2002年の日韓ワールドカップでは、せいぜい50万人しか前年から増えてない。
もうちょっと多いとしても100万人と考えておこうか。
ざっくり10万円×100万人=1000億円。


しかもこいつらは一時的な効果だ。


余波として、観光客が数年増加したとしても、たいしたことはないだろう。
ここ数年は200万人規模で訪日外国人数が増減している。
円安か円高か、これが主要因であると考えるのが自然だ。


オリンピックのチケット売上を考えてみる。
そういうデータは確かに存在するようだ。
アトランタやシドニーは別格によく売り上げていた。
地理的に北京オリンピックと同じくらいと考えると200億円くらいじゃないかな。


ノベルティグッズとかたくさん販売されるだろうけど、
ちょっと食いつなぐ程度の売上だと思う。
事業上の大事な投資ではなく、ちょっと息抜き的な食いつなぐ売上。
オリンピックのために生産設備を大増設とかアホらしいことをするとは思えない。
ありものの設備で、ちょっとデザイン変えて売る感じでないとおかしい。


2002年の日韓ワールドカップのときは、実質GDPは前年よりも約1兆4000億円増えた。
でも2003年は約8兆円くらい増えてるんだね。
あんまりワールドカップはGDPに関係なさそうに思える。


オリンピック特需を期待して、資金が日本円に傾くならば、円高になる。
昔に戻る傾向ではないだろうか。
円高は怖いぞー。
でもなぁ、オリンピック決まった日に、多少変動はあったけれども、
ほとんど通常運転な感じでしたよね。
ええ、つまり、オリンピックなんてのはたいして経済効果が期待出来ないと言って良いんだよ。


ちなみに、消費税の税収は年間約10兆円。
5%が8%に上がる場合、一切の買い控えがないのであれば、6兆円の負担増だ。
8年間で3兆円と言われているオリンピックに対して、毎年6兆円の消費税。
ぶっちゃけ復興特別税も相殺できない金額だろう。
GDP500兆円の国が、3兆円÷8年の年間3750億円で、どんだけ景気が良くなると思えるんだろう。


オリンピックで気分を盛り上げるのは良いのだけど、
簡単な数字を適当に並べてくらいで楽観的になれないことがわかってくる。


生産面でみると、なぜかオリンピックは効果がでるように期待はできるんだけど、
支出面でみていくと、庶民感覚では、ここに書いていたような感じの内容になるんじゃなかろうか。


経済効果100兆円なんてーのは、疑いようもなくガセ。


他にもツッコミどころはある。
例えばオリンピックのために老朽化した高速道路を整備するとしても、
それはいつかはやらないといけないことをちょっと前倒したというだけで、
設備投資の波打ち方が変わった程度。
経済に効果はあったかもしれないが、経済が成長したというには語弊がある。


むしろ浮かれ気分で作らなくてもいいものをたくさん作って
不良債権化しちゃうような事だけはやめてほしい。